心臓に悪い?!ベートーヴェン『テンペスト』
こんにちは、ヒロです!
あなたはベートーヴェン作曲の『テンペスト』を聴いたことがありますか?
『テンペスト』という曲名は通称で、正式にはピアノソナタ第17番ニ短調、作品31−2。
なぜこの曲が『テンペスト』と呼ばれるのか?
実は、前回の記事で紹介した同じベートーヴェンの『熱情』と深い関わりがあります。
(ベートーヴェン【熱情】の記事はコチラ↓)
ベートーヴェン【熱情】の第三楽章を聴くなら迷わずコレ!!お勧めの熱血ピアニスト演奏(動画付き)
ベートーヴェンの弟子アントン・シンドラーが『熱情』との解釈の違いを尋ねた際、シェイクスピアのロマンス劇「テンペスト」と読むように答えたと伝えられています。
テンペスト=嵐(あらし)なので、曲のイメージからもすぐに納得できました。
『テンペスト』と『熱情』、どちらも心臓に悪いんですよね(笑)
穏やかな感じはまったくない、常に緊張感に囲まれた曲なので気が休まりません。
寝る前に聞いたら確実に眠れなくなりますから注意して下さいね!
『テンペスト』は第一楽章、第二楽章、第三楽章の3部構成ですが、3つとも〈ソナタ形式〉を取ります。
「ん?ソナタって何ぞや?冬のソナタ?」
ソナタとは、楽曲の構成を序奏・提示部・展開部・再現部・結尾部に分け、2つの主題(サビみたいなもの)を提示部と再現部に出現させる形式のこと。
何やら意味不明なことを言っているように思うかもしれませんが、ようするに、ピアノの曲にも演劇と同じようにしっかりした構成があるということですね。
ちなみにベートーヴェン『テンペスト』で大嵐の印象が半端ないのは、最後の第三楽章。
〈嵐の中急ぐ馬車の走行〉をイメージして作曲したそうですが、ほぼ最後までノンストップの待った無し!
第三楽章は聴いているだけで血圧が上がります(マジで)。
それでも興味本位で聴いてみたくなった好奇心旺盛なあなたのために、今回は私が『テンペスト』を弾くピアニスト3名を厳選しました。
選考基準は『テンペスト』のタイトル通り、嵐を連想されてくれる演奏に限定。
お近くにAED(自動体外式除細動器)があることを確認してから、ぜひ大音量で聴いて下さいね!
『テンペスト』第三楽章の厳選ピアニスト【TOP3】
それではさっそく、ベートーヴェン作曲『テンペスト』の第三楽章を恐ろしく嵐感たっぷりで演奏してくれるピアニストをご紹介します。
第3位 Ory Shihor
3位はイスラエルの著名ピアニスト・オリー(の若かりし頃)。
日本ではあまり馴染みのないピアニストですが、今は超イケメンで俳優並みにかっこいいです。
さて、オリーの演奏ですが、出だしから数秒後には彼の腕と肘が?!
一瞬ですからしっかり観てて下さいね(笑)
もう見た目で嵐の怖さ十分に伝わりました、勘弁して下さい、、、って感じです。
ちなみにオリーは子どもたちのピアノ教育に力を入れており、自身のCD音源はほとんど発表していません。

第2位 Daniel Barenboim
ベートーヴェンのソナタと言えば、必ずこの化身が登場します。
(過去の登場記事はコチラ↓)
【月光】~第三楽章~を聴くなら迷わずコレ!!お勧めのピアニスト紹介【動画付き】
ベートーヴェン【熱情】の第三楽章を聴くなら迷わずコレ!!お勧めの熱血ピアニスト演奏(動画付き)
親のピアノ教育だけ(ほぼ独学)でこの地位まで登りつめた巨匠バレンボイム。
なんと3位のオリーと同じイスラエル国籍なんですよね、、、
私はサッカー日本代表戦の「中東の笛」は嫌いですが、「中東のピアノ」は大好きですよ!
それにしてもバレンボイムの汗の滴る量といったら、、、
よく鍵盤が滑らないなぁと感心してします。
きっと嵐のあとのようにこのピアノもびしょ濡れでしょうね。

第1位 辻井伸行
第1位はなんと、日本を代表するピアニストに登りつめた辻井伸行の演奏力。
お世辞抜きに、この『テンペスト』を超える演奏は見つかりません。
辻井伸行は大きな息づかいも特徴なのですが、呼吸音と一緒に緊迫感が伝わってくるんですよ、、、
ベートーヴェンが難聴の時に危機感を抱いて作ったとされるこのソナタですが、同じように障害を背負う辻井伸行にしか伝わらない特別な感性があるのかもしれませんね。
練習量だけではない、大きな何かが背景にある演奏に思えてなりません。
辻井伸行、天才です。
2位や3位と比べて圧倒的に早いテンポですよね?
辻井伸行の『テンペスト』が一番血圧上がります、、、


おまけ(CD音源のオススメ)
さて、いかがでしたか?
今回はベートーヴェン『テンペスト』で一番人気のある第三楽章だけに絞って紹介しましたが、このピアノソナタ17番は1〜3楽章を通して聴けばさらに魅力を感じることができます。
ちなみにCD音源の『テンペスト』であれば、歴史的ピアニストのBACKHAUS(バックハウス)が絶対にオススメですよ!
今になって再びバックハウスの世界観が脚光を浴びています。