【参拝マナー】神様が鎮座する対象を正しく知れば、拝殿作法の順序を迷わなくなる!

神道



お祭りにだけ参加して、拝殿は参拝しないというのはNG

 

こんにちは、婿殿HIRO(@donomuko16)です。

 

前回の記事で、日本人が神を祀(まつ)る理由は祟りを恐れていたことが理由と解説しました。

 

皆さんが大好きな【お祭り】も、本来の目的は神様を招いて供え物を捧げるといった行為であり、それ以外の理由はありません。ですから、お祭りに参加するのであれば、何かしら供え物(一般的にはお賽銭がこれに当たります)が必要ということです。出店や屋台だけ楽しんでサヨナラはNGですよ!

 

ちなみに、神様はどこに鎮座しているのかおわかりでしょうか?

 

「何を当たり前のことを!!そんなの本殿に決まってるでしょ(笑)」

 

はい、その通りなのですが、3割正解といったところです。

 

私も長い間ずっとそれが全てだと思っていました。神社に参拝して、なんとなく拝殿の前で鈴を鳴らしたりお賽銭を入れたりして、なんとなくその奥の本殿に神様がいるような気がしながら目を閉じてお祈りする。多くの日本人がそうなのではないでしょうか?

 

結論から言ってしまえば、結果的に本殿内に神様が鎮座しているというだけです

 




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神様が鎮座する対象は、大きくわけて3つ

 

実は、神様が依りつくところ(すなわち、鎮座する対象)は以下の3つに分けられます。順に解説していきますね。

 

  1. 自然の中にある大岩や太い木
  2. 剣や鏡など
  3. 山や島全体

 

1については御神木などをよく見かけると思うので、すぐにイメージできるのではないでしょうか。

 

2については本殿の中に鎮座されています。つまり、本殿の中にある剣や鏡などの御神体に神霊が依りついているのです

 

重要なのは3です。これは日本人であっても意外に知られていない事実ですが、地名にヒントが隠されています。例えば【御岳(おんたけ)】【御島(みしま)】【斎島(いつきじま)】などがその代表例で、地図などで目にする機会も多いと思います。

 

古の人々は、地名によって大災害を警告していた?

 

興味深いことに、かつて御岳村、御岳山、御島と呼ばれた地域では、人々は古より神様が住んでいることを強く認識しており、祟りを恐れてか信仰心が強い傾向にあります。

 

単なる言い伝えと思う方も多いと思いますが、古の人々が地名に残すことで来世に忠告してきたのでは?ということが否定できない以下に示す事実があるのです。(これ以降の内容は私独自の分析なので、テレビなどのメディアではもちろん触れられていません。)

 

「御岳村」はかつて日本に二か所存在していました。一つが現在の宮城県気仙沼市。もう一つが熊本県山都町(上益城郡)。この二つの地名から何か気付きませんか?

 

前者は2011年の東日本大震災で、甚大な津波被害にあった地区。後者はその5年後、同じく甚大な被害にあった2016年の熊本地震の震源地となります。たった二か所の旧・御岳村で、こんな偶然があるのでしょうか?

 

「御岳山」は、現在の字である「御嶽山(おんたけさん)」と書けば皆さんもお分かりですよね。2014年に多くの犠牲者を出した大規模噴火をしました。昔の人々は別名「王(神という意味)の御嶽」とも呼んでおり、神の住む山として尊称されていたことがわかります。これも単なる偶然なのでしょうか?

 

「御島」は、同字でおしま・おじまと呼ぶ地名もありますが、神としての意味を持つ「みしま」と呼ぶのは現在の三島市に該当するとされています。JR三島駅でも有名な、静岡県の太平洋に面した地区です。

 

昨今、南海トラフによる東海大地震が現実的になってきたと予測されています。さらに、この東海大地震は詳細には駿河湾大地震になると研究発表されており、そのトラフの終点に位置するのが三島(旧・御島)なのです。おそらく駿河湾に巨大な津波が押し寄せれば、三島市は甚大な被害を受けるのは間違いありません。本当に偶然なのでしょうか?

 

「斎島(いつきじま)」は、神に斎く(いつく)島という語源で、古代から神に仕える島として認識されています。どこの地名を指しているか皆さんはもう気付きですよね?

 

国宝・世界遺産の厳島神社で有名な、厳島(いつくしま)のことです。今でこそ世界中から人が集まる観光名所ですが、実は斎島(厳島)は鎌倉時代までは近付くことすら恐れられた神の住む島とされていました。ちなみに、この斎島も2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた地域です。

 

ざっと述べただけでも、地名ににはこれだけ多くの意味が含まれており、古来から神の住む場所という認識と、実際の自然災害とが密接に関係していることが解りますよね。神への信仰は日本人の文化であり、言い伝えの多くには歴史的にも十分な根拠があることが多いです。

 

科学だけでは解明できない、古からの災いへの警告(昔の人々にとっては祟り)を、私達現代人も無視すべきでないと思います。

 

【神】を正しく学べば、参拝作法も自ずと間違えない

 

繰り返しますが、私達が参拝する【神社】の本殿そのものに神が鎮座しているのではありません。あくまでも本殿は社(やしろ)のひとつであり、これらは冒頭に述べた祀り・祭りを行うための祭場というだけなのです。

 

ですから、このことを正しく理解していれば参拝する際の作法順序を間違えることなどありえません。(いきなり拝殿の前でお賽銭を納めても、そこにまだ神様はいませんよ!)

 

必ず、始めに呼び鈴(正式名称は本坪鈴)を両手で持って鳴らして下さい。この行為によって神霊があなたの前にやってきます。それから、神様への供え物としてお賽銭をそっと納める(気合い入れてブン投げちゃダメ!!)のが正しい作法です。それ以外の作法も色々とありますが、今回重要なのはこれに尽きます。

 

「どんな順序でもオッケーでしょ。神様はそんな小さなことに拘らないから大丈夫だよ。」

 

なんて言う人も結構多くいるようですが、【神】が何かを正しく学んだことがないのです。どのような存在で、どこにいるのか、どのように解釈されているか。これまでの記事を読んだ皆さんはもう大丈夫ですよね?

 

次回は、祀り(祭り)と政治の意外な関係について解説しますのでお楽しみに!




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