【神道】は宗教に含まれない?!明治政府が選択した奇策

神道



明治政府の七転八起

 

こんにちは、婿殿HIRO(@donomuko16)です。

 

明治の幕開けとともに怒涛の勢いで「祭政一致」と「神道国教化」をゴリ押しした政府。しかし、結局は3年も経たないうち、日本人から「仏教」を奪うことは不可能という結論に至りました。

 

荒れ狂った廃仏毀釈から一転、今度は「やっぱり仲良く協力しましょうよ!仏教の皆さん!」とあっさり方向転換したわけですね。道元禅師がこの時代にいたら、いったい何を思ったでしょう。散々破壊しまくったわけですから、、、。相手が「仏教」以外の宗教であったなら、「神道」はおそらく報復されて現存しなかった可能性すらあります。

 

ということで、明治政府は「神道」の国教化を諦め、当初の目的であった「キリスト教」の排斥のみに集中します。前述のお詫びとして、各地の僧侶を積極的に教員・指導役として登用し、「仏教」の偉大さを武器に対抗していくわけですね。この時点で、再び「神道」と「仏教」が習合し始めたのです。やはり、日本におけるこの二大宗教は切っても切れない関係なのかもしれません。

 

更にズル賢いことに(←怒られていまいますが)、明治政府は「神道国教化」の政策を失敗とは呼ばずに、以下のように解釈してしまったのです。

 

「神道は日本国そのものであり、宗教というカテゴリーではなかったようだ。だから、神道は仏教と協力できる関係にあるじゃないか。」

 

そんな、、、そんな無茶苦茶な、、、、。だったら、破壊した大量の「仏教」文化財を返して下さいよ。どうしてくれるんですか!ある意味、七転八起といえますよね(笑)。

 



仏像フィギュアの【イSム(いすむ)】

世界一の「キリスト教」は強い。今のアメリカと同じように。

 

さて、明治政府の開き直りで再び「神道」と「仏教」がタッグを組んだ日本の宗教。しかし相手は世界王座の「キリスト教」ですから、いくら島国で隔離された地といえども完全包囲された状況でした。

 

結局のところ、日本で「キリスト教」を禁令にしたくとも、欧米諸国の圧力が尋常ではないのです。すでに明治時代は近代化が進み、海外と密接に関わりのある立場であった政府。そもそもこうなってからでは遅いのです(←婿殿はキリスト教否定派でありませんよ!あくまでも当時の状況を解説していますので)。

 

国内における信教の自由を保証することで、海外から袋叩きにあう最悪の事態だけは免れました。なんせ、相手が本気を出したら軍艦と大砲ですからね。日本はまだ侍の時代が終わったばかりです、、、。この選択に関しては正解でしょう。植民地化されたらそれこそ「神道」も「仏教」もおしまいですからね。もしそうなったら今頃は「隠れ巫女」、「隠れ僧侶」なんて呼び方が出来ていたかもしれませんよ。

 

余談ですが、「仏教」と同じように痛めつけられた古来の宗教も他にあります。皆さんも御存知と思いますが、有名な「陰陽道」もその一つでした。陰陽師・安倍晴明は映画化までされる人気でしたよね!

 

新たに再編された「神道」

 

「神道」の国教化は失敗しましたが、その過程における神社制度の再編は、現在の私達が持つ「神様」の感覚を創り上げた基盤となりました。

 

社格(しゃかく)という、全国の神社の公式な格付けがあるのを御存知でしょうか?この社格は簡単に言ってしまえば、どれだけ歴史的に古い建物かを意味します。歴史的に古くから存在することを証明されただけで神社自体の格が上がるのです。別の機会でこれについて詳しくまとめますが、現在の社格の基礎は明治政府が再編成したものとなります。そう簡単に変更できるものではないのですよ。

 

また、神社でのお祭りごとの大半が、実は「神道」の国教化の動きの中で加わったものです。後付けの文化というわけですね。ですから、今の神社の姿(運営という意味で)と祭りは明治政府が創り上げたばかりの200年に満たない歴史なのです。日本人の多くが「神道」は古くから続く文化だと勘違いしていますが、これが事実です。(学校ではここまで教えてくれませんよね?)

 

とはいえ、天照(アマテラス)大神など架空の「神」の存在や、日本国自体の始まりの物語を含めて「神道」と呼ぶ以上、その歴史自体は「仏教」同様に古来より続いており、我が国固有の宗教であることには変わりありません。少しややこしいですよね。

 

神仏習合信仰は、結局のところ善か?それとも悪か?

 

神仏分離から始まり、神仏習合となり、神仏分離され、やがてまた神仏習合。

 

「良いの?悪いの?どっちなんだ、オイ!!」(←中山きんに君風)

 

実は、この論争は宗教学的に非常に大きなテーマであり、現在も答えが出ていないのです。もしかすると、答えを出してはいけないのかもしれませんね。日本人にとって、神様と仏様は双方あまりにも馴染みの深い信仰対象ですから、優劣をつけてはいけないのだと私は思います。そうはいっても、学者達は様々な研究結果を発表しているわけで、「神道」の解釈が刻々と変化しているのが事実です。

 

次回の記事では、この「神道」の解釈について様々な視点からまとめていきます。初詣が近づくこの時期にぜひ、日本の「神」の正しい文化を学んでいただければ嬉しい限りです。それではお楽しみに!!

 



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