ピアニストの【音源】が自由に手に入る時代
こんにちは、ヒロです!
お子さんがピアノを習っていると、早く上達させたい想いの親御さんにも色々な悩みがつきまといますよね。
あーした方がいいのかな? こーした方がいいのかな? って。
その悩みの一つに、プロのピアニストの演奏を聴かせるべきかどうかという問題があります。
幼少期の頃に弾くようなレベルの曲ではあまり意識しないと思いますが、小学生の高学年に近づくにつれて曲の難易度も上がっていきます。
その頃の年齢層で弾けるようになる曲には有名な作曲家も増えてくるので、プロのピアニストが演奏している音源が結構手に入りやすいんですよね。
音源の種類としては、一昔前はCDしかありませんでしたが、最近では以下のような種類に分かれます。
- CD(専用にレコーディングしたもの、コンサートの録音など)
- DVD(コンサートを録画したものなど)
- ネット配信動画(YouTubeなど)
- 生のコンサート
曲名さえ分かれば、YouTubeでは大量にその演奏動画がピックアップされてきますよね。
CD音源しかない頃は、ピアニストがその曲を弾いて販売しなければ自由に聞けなかったわけですから、今はとても便利な時代になりましたよ。
ちなみに本来であれば、楽譜の通りに弾けば、どんな曲でもその通りに弾けるはず。
そのための楽譜ですから。
でも、実際にピアノを習ってみるとわかりますが、難易度が上がってくると〈お手本の演奏〉が欲しかったりするケースが生じるんですよね、、、
私がピアノを習っていた20年前の頃は、レッスンで先生が弾いてくれるのを聴く時だけが、その唯一のチャンスでした。
音源が溢れる今の時代では、ちょっと分からなければいつでも調べることが可能です。
とはいえネットやパソコン操作などが必要なので、大半は親御さんがまず検索して、子どもにその曲の演奏を聴かせてあげるというパターンではないでしょうか。
ちなみに注意して欲しいのですが、YouTubeなどのネット配信動画はピアニストの音源だけではありません。
一般の家庭のお子さんのピアノコンクールの撮影動画や何気ないレッスン動画もたくさんあります。
今回対象としているのは、あくまでもプロのピアニストの演奏。
ピアニストの演奏を聴く・観ることの【メリット】
お子さんにプロの演奏を聴かせる主なメリットをあげるとすれば、大きく分けて次の2つです。
① 誤った譜読みによる、練習効率の低下を防ぐ
なにやら難しい表現になってしまいましたが、簡単に言い換えると、〈楽譜を正しく読めていない状態で、間違ったまま一人で練習を続けていたら時間の無駄〉ということです。
ピアノ経験がそれなりにある親御さんであれば、お子さんが間違って弾いているとすぐに気づきます。
すぐに指摘してあげれば、ピアノのレッスン日の前に修正できてしまいますから、それだけ効率が良い自主練習になります。
レッスン日が週に1回だけなら、これって結構な時間効率につながりますよね?
一方で、楽譜が読めない親御さんの場合どうなるか。
まず、お子さんの演奏がそもそも正しいのかどうか、判断できませんよね、、、
でもそれはピアノを習っていなかった親御さんが悪いわけではありません。(というか、代々ピアノを習う家系なんて世の中に一握りですから、多くのご家庭ではその状況が普通だと思います。)
結果的に間違って練習していたら時間の無駄になってしまうので、それではこの状況をどう克服すれば良いのかと言えば、正しい演奏を聴かせること以外にありません。
それがCD音源なり、コンサートの録画なり、YouTube動画であっても何でも良いんです。
耳で聞くことって実は圧倒的な情報量なので、間違って弾いていればすぐに本人も気づくことができるんですよ。
② 聴衆を魅了する表現力を、プロの演奏から学ぶ
ふたつ目のメリットは、ピアノを弾く上で必ず課題になる表現力。
これは正しく音符をなぞる、強弱記号をしっかり守る、などの譜読みの次元とは別なんです。
どれだけ機械的に正しく弾いても、そこに表現力がないと全くつまらない演奏になってしまいますから。
「ピアノに弾かされているのか、それともピアノを弾いているのか。」
コンクールの審査員にしても発表会での一般聴衆にしても、その子の演奏を聴いてくれるのは他人なんです。
良い演奏には必ず表現力が備わっていますので、例えばコンクールの審査員はそこで点数に差をつけてくるんですね。
(ピアノコンクール審査員の評価についてはコチラ↓)
ピアノコンクール審査員の寸評から振り返る、幼少期の【受賞条件】とは?
【ジュニアピアノコンクール】地区予選と本選では、審査員の評価基準が大きく異なる。
【ブルグミュラーコンクール・ファイナル】幼児部門で銅賞となった審査員評価と、さらに上を目指すために必要な壁。
【ブルグミュラーコンクール・ファイナル】小学3・4年Bの銀賞受賞と、審査員評価から予測する採点基準
お子さんが弾いている曲と同じ曲を弾くプロの演奏を知らないなら、ぜひ探して一緒に観てあげてください。
圧倒的に表現力が違うはずです!
著名な世界的ピアニストであれば、CD音源だけでも十分に伝わるほどの表現力を備えていますから。
さらに、実際に演奏しているコンサート動画であれば、どう弾けばその音質になるのか〈体の動き〉からも学ぶことができますよ。
大げさでなく、素晴らしいピアニストの演奏は必ず体全体で表現しています。
(ピアニストのオススメ演奏をまとめた記事はコチラ↓)
【月光】~第三楽章~を聴くなら迷わずコレ!!お勧めのピアニスト紹介【動画付き】
リスト【ラ・カンパネラ】を後世につなぐ、世界の天才ピアニスト【TOP3】はこれだ!!(動画つき)
ベートーヴェン【熱情】の第三楽章を聴くなら迷わずコレ!!お勧めの熱血ピアニスト演奏(動画付き)
【テンペスト】~第三楽章~を聴くなら迷わずコレ!!お勧めのピアニスト紹介〈動画付き〉
顔の表情、腕の使いかた、肘の角度、胴体の跳ね、リズムの取りかたなど、これらは表現力に直結している重要な要素。
ぜひ、本物のピアニストの演奏から表現力を盗み取って下さい!
ピアニストの演奏を聴く・観ることの【デメリット】
これまでに挙げたメリットを知っただけでも、明日からYouTubeでガンガン検索して、お子さんにプロの動画を見せたくなったかもしれません。
しかし、ピアニストの演奏はメリットだけではないことも知っておいて欲しいです。
いくつか注意すべきデメリットを以下にまとめますね。
① クセが強いんじゃ
ピアニストによっては、演奏にクセが強すぎる方もおられます(笑)
もちろん、クセがあるのは個性的で完成された演奏なのですが、それは売れているピアニストだから許される表現方法です。
お子さんが真似をしても(そもそも真似できない演奏が多いですが)、おそらくは雑に弾いているようにしか伝わりませんよ。
コンサート動画などは、会場のテンションが上がりまくってクセが強い演奏も多いので、親御さんがその見極めをする必要があります。
そういった意味では、しっかりレコーディングされたCD音源というのは無難なお手本教材と言えるかもしれません。
② ピアノの先生が嫌う
ピアノ教室によっては、YouTubeなどで他人の演奏動画を見せないよう親御さんに注意します。
実際に、そのように考えている先生が多いですね。
「先生より上手なピアニストの演奏なんて聴いたら、もう私の立場がないじゃないの!!」
なんてちっぽけな理由ではありませんよ(笑)
上記のメリットを正しく使いこなせないことも理由にありますが、一番先生が気にしているのは個性の尊重です。
そのお子さんにしか演奏できない、まだ未知の表現力を伸ばしたいという想い。(=願い)
小さいうちから他人の演奏方法を真似するようになってしまっては、その子にしかできない表現が潰されてしまうんです。
ピアノには表現力の上手下手はありますが、「これが正解です」という概念はありませんから。
おわりに
私が今回お伝えした、プロの演奏を知ることのメリットは事実です。
ですが、ピアノの先生と上手に付き合っていくのもお子さんが成長していく過程で結構重要(マジで)。
親御さん側で、このメリットとデメリットをよく天秤にかけて判断し、お子さんに必要なタイミングでプロの音源を投入するというのが賢い選択かもしれませんね。
その延長線で、お子さんや親御さんがクラッシック演奏まで好きになってくれれば嬉しい限りです!